証券会社でファンドのページを開くと、「リターン(年率)」「リスク(年率)」といった数字が並んでいます。この連載では、そうしたページによく出てくる言葉を、一覧表の25本の数字を使って見ていきます。1回目は、いちばんよく見るリターンとリスクです。
リターンは、1年あたりの増え方
リターンには、期間全体でどれだけ増えたかと、それを1年あたりにならした「年率」の2つがあります。
| オルカン | |
|---|---|
| 5年の期間リターン | +145.9% |
| リターン(年率) | +19.7% |
2026年8月末までの5年で、オルカンは+145.9%増えました。毎年同じだけ増えたとすると、1年あたり+19.7%です。年率は複利で計算するので、19.7%を5回足しても145.9%にはなりません。期間の長さが違うファンドどうしを比べるときは、年率の数字を使います。
リスクは、値動きの振れ幅
投資信託のリスクは、損をする確率ではなく、値動きの振れ幅のことです。毎月の値動きが、平均からどれだけばらついていたかを計算し、1年あたりに直した数字で、標準偏差とも呼ばれます。
野村世界半導体株投資は、リターンが年44.4%と大きい一方で、リスクも35.8%あり、オルカンの2倍以上です。上がるときも下がるときも、オルカンより大きく動いてきました。ゼウスはリスクがS&P500と同じ16.6%ですが、リターンは7.8%にとどまっています。リスクが同じでも、リターンまで同じになるわけではありません。
1年の成績が、どのくらいの幅に収まるか
リスクの数字を使うと、1年の成績がおおよそどの幅に収まるかの目安が出せます。値動きが山の形にばらつくとすると、リターンからリスク1つぶん上下した範囲に3年のうち2年くらい、2つぶん上下した範囲に20年のうち19年くらいが入ります。
オルカンなら、3年に2年は+5%〜+34%です。野村世界半導体株投資は、20年に19年の幅が−27%〜+116%まで広がります。1年で3割近く下がる年があっても、おかしくない幅です。
どちらも、株価が大きく上がった過去5年の数字から出した目安です。リターンの数字が小さい時期や、値動きの荒い時期を含めて計算すれば、幅は下にずれます。
「分類平均」と並べて見る
証券会社のページでは、リターンやリスクの横に「分類平均」が載っていることがあります。同じ種類(たとえば国際株式)のファンドの平均で、そのファンドのリスクが同じ種類の中で大きいほうか小さいほうかが分かります。
数字は、証券会社や計算する期間によって少しずつ違います。このサイトの数字と比べるときは、期間がそろっているかを確かめてください。
次回
2回目は、シャープレシオ、アルファ、ベータ、相関係数です。リターンとリスクを組み合わせて見る数字を取り上げます。
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出典:基準日 2026年8月末。リターンとリスク:各社が公表する基準価額と分配金から、当サイトが月末の値をもとに計算(2026年8月末までの5年)。オルカン=eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)、S&P500=eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)。
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