証券会社のファンドのページには、リターンとリスクのほかに、シャープレシオ、アルファ(α)、ベータ(β)、相関係数が並んでいることがあります。どれも、1回目で見たリターンとリスクを組み合わせて出す数字です。
シャープレシオは、リスクあたりのリターン
シャープレシオは、リターンをリスクで割った数字です。同じだけ値動きの振れ幅を受け入れたときに、どれだけ増えたかを表します。本来はリターンから預金などの金利を引いてから割りますが、この5年の日本の短期金利は低かったので、ここでは引かずに計算しました。引けば、どのファンドも少しずつ小さくなります。
野村世界半導体株投資はリターンが年44.4%とずば抜けていますが、リスクも大きいので、シャープレシオは1.24でオルカンより低くなります。反対に、ダイワ金融新時代ファンドとダイヤセレクト日本株オープンは、リスクがオルカンとほぼ同じで、リターンが大きかったため、2倍近い数字になっています。
ベータと相関係数は、比べる相手との動きの関係
| ファンド | ベータ | 相関係数 | アルファ(年率) |
|---|---|---|---|
| S&P500 | 1.12 | 0.98 | −0.7% |
| フィデリティ・米国優良株・ファンド | 1.14 | 0.97 | −1.7% |
| 野村世界半導体株投資 | 1.97 | 0.80 | +5.6% |
| ノムラ・ジャパン・オープン | 0.89 | 0.72 | +6.8% |
| ダイヤセレクト日本株オープン | 0.49 | 0.47 | +19.7% |
| ゼウス | 0.80 | 0.70 | −7.9% |
どれもオルカンと比べた、2026年8月末までの5年の数字です。
ベータは、比べる相手が1%動いたときに、そのファンドが平均で何%動いたかを表します。野村世界半導体株投資は1.97なので、オルカンの約2倍の幅で動いてきました。1より小さいファンドは、オルカンより動きが小さかったことになります。
相関係数は、動く向きがどれだけそろっていたかを、−1から1の数字で表します。1に近いほど、同じ時期に同じ向きに動いてきたことになります。米国株が中心のS&P500とフィデリティ・米国優良株・ファンドは0.97〜0.98で、オルカンとほとんど同じように動いています。日本株のダイヤセレクト日本株オープンは0.47で、オルカンとは違う動き方をしてきました。
アルファは、ベータで説明できない上乗せ
アルファは、ファンドのリターンから「ベータ×比べる相手のリターン」を引いた残りです。相手と同じ向きにどれだけ大きく動いたかでは説明できない、そのファンドならではの上乗せ(またはマイナス)を表します。
野村世界半導体株投資のリターンは大きいものの、オルカンの約2倍動いたぶんを差し引くと、アルファは+5.6%です。リターンの多くは、値動きの大きさから来ていたことになります。
比べる相手で、数字は変わる
ここではすべてオルカンと比べましたが、証券会社のページでは、ファンドの種類ごとの指数(国内株式ならTOPIXなど)と比べていることが多く、同じファンドでも数字が違います。アルファやベータを見るときは、何と比べた数字かを確かめてください。
次回
3回目は、トラッキングエラーとインフォメーションレシオです。アクティブファンドが、同じ市場のインデックスとどれだけ違う動きをしているかを表す数字です。
中身の変化を、メールで
各社の月次レポートが出そろったら、中身の変化が大きかったファンドを3本選んでお送りします(無料)。
出典:基準日 2026年8月末。各ファンドの数字:各社が公表する基準価額と分配金から、当サイトが月末の値をもとに計算(2026年8月末までの5年)。ベータ・相関係数・アルファはオルカン(eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー))と比べた値。
情報の整理を目的としています。特定の商品の売買を推奨するものではありません。